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「“伝承”」 No.282

 一人の師や先生を、ここではトレーナーということばでくくります。一人の弟子、生徒、お客さん、患者さん、これは、私のところではレッスン受講生と呼んでいますが、生徒とします。どのことばを選ぶかでかなりニュアンスも異なるのですが、それをあえて無視します。

 

 トレーナーから生徒に伝える。(師から弟子に稽古をつける)このケースも、分野を問わず一対一、一対少数、一対多数とあります。内弟子、通い弟子、一般客などと分けられているところもあります。

 

 稽古をつけない師もいれば、不規則的に時間の長さもなく、私生活との区別もなく稽古する師もいます。兄弟子や他に学びにいかせる師もいます。師が実演家、アーティストで、その芸に惚れて近づく弟子ですから、自ら欲して、ものにしていった人だけが残るのです。多くの人は残っていけないし、食べていけません。師よりも、兄弟子や一般の人のなかにトレーナーに近いタイプの人がいることも多いでしょう。

 

 クラシックでは、外国人のオペラ歌手に憧れ、そこに習いにいく人もいるかもしれませんが、音楽学校へ入り、日本の先生について生涯学び、留学したり外国人の公開レッスンなどを受ける人の方が多いでしょう。ポップスなら憧れて、そのまま歌いだす人が大半です。昔は流しやクラブ歌手、作曲家の内弟子になりました。今は学校、音楽スクールもありますが。

  伝承、伝えるのに、トレーナーがどのくらいの回数、1回どのくらいの時間でどういうことをするのか、生徒がどのくらいの期間で、どこで誰から何をどうやって何を習得していくのか、そこに一つの正答などというものはありません。