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○フィジカルの準備 体と呼吸を始動状態へ NO.253

○フィジカルの準備 体と呼吸を始動状態へ

 英語のスクール、声優、役者、歌手などの養成所などどこでも、好きなことをやることで、しぜんと全身を使い、伸び伸びと声のトレーニングができることが理想です。スポーツの最初のように、発声の勉強は、正しい間違いをあまり気にせず、うまい下手といった程度の問題と思い、どんどんと深めていくことです。

 語学をボディトークを交えながら、表現コミュニケーションのために学ぶなら、全身全霊で、体に覚えさせていきましょう。

 日本人の勉強のスタイルであった座学での読み書きより、立ちながら動きながら、相手と向かい合って話す、聞く力をつけていくのがよいでしょう。

 人を呼び止めたり、注意したり、クレームをつけたり、怒ったりしたら、そのときの声を思い出してみてください。そこで必要なことが、ヴォイストレーニングではよいきっかけとなります。

○全身を使って大げさにやる

 舞台のトレーニングでは、私はいつも大きくつくるように言います。体の動きも表情も声もすべて、大げさにやって、やりすぎることはないのです。(やりすぎて注意されたら、直せばよいのです。上達のコツは、あきれられるくらいのテンションでやることです)

 プロが普通にしゃべっていることを、素人さんがやろうとすると、とても小さくまとまってしまい、客の方まで働きかけません。これも第一にアンテナ(耳や感じ方)、次に体の使い方の問題です。プロの人はこのくらいの声と思って、同じように出したつもりでも、あなたのは必ず小さくなってしまいます。ですから、棒読みや一本調子だと、もっと大きくとか、メリハリをつけて、と注意されるのです。(ご自分のせりふや歌を録音して聞いてみてください。思ったよりずっと小さく、平坦になっていませんか)

 プロは表向き、体を使っていないようにみえても、合理的に全身を使っているので、そこで働く力がとても大きいのです。

 英語の発音やストレスアクセントも発声も同じことです。あなたが聞いてイメージしたよりも、3倍くらい強めて、ようやく同じくらいになると思ってください。

 一般的に、日本人のつける強弱リズムなどは、ほとんど平坦で伝わりません。[S]を強くしたつもりで、外国人の普通以下くらい、つまり、感覚と体が適していないのです。最初は口の中だけでしか、使っていないからです。

 とにかく、全身運動に結びつけなくては、扱えるようにはならないと思って、大げさに目一杯にやることです。

 ちなみに、役者は大泣き、大笑いの練習から入ります。あなたもお腹が痛くなるくらいに、大笑いをしてみてください。心のちょっとした変化に体が反応するようになって、そのうち、目だけで泣いたり、ほくそえんだりできるようになるでしょう。

○声は体という楽器から出る

 “お腹から声を出せ”とは、よくいわれますね。まずは、声を出すための楽器としての自分の体のしくみを理解し、発声のために理想的なフォームをつくっていきましょう。

 私たちの声は、のどにある声帯から生じ、体の中で共鳴させて出てくるものです。つまり、体が声を出す楽器ともいえるのです。

 となると、体そのものが成長したり老化したりする、あるいはトレーニングで鍛えることで、楽器も変わっていくわけです。つまり、他の楽器のように、最初から完成されたものとして扱えないのです。声については、生まれ授かったのどという楽器をよく知り、どううまく使いこなすかを学んでいく必要があるのです。

○体を柔軟にする

 発声は、スポーツや舞踊といった肉体をつかう芸と似ています。そこで体をつかう分野での考え方がうまくあてはまることが多いのです。発声は、体全体で行う運動、と捉えておきましょう。

 過度に緊張したり、ストレスをためたりすると、防衛攻撃態勢になり、お腹が固まり、呼吸も浅く速くなります。筋肉の酸素供給にとられます。だからリラックスが必要なのです。

 体をいつも柔軟にしておくことが自分の体、ひいては呼吸を思い通りに動かせるコツです。そうでなくては、よい姿勢(フォーム)も保てません。

 特に、首や肩の筋肉が凝っていると、声をコントロールする筋肉にも影響が出ます。マッサージしたり、柔軟体操をして体を柔らかくしておくことは、声をむやみに出すことより、よほど大切なことです。毎日欠かさずにやりましょう。

 首筋、胸筋の腕との間のあたりをもんでおきましょう。痛いなら、ほぐしておきましょう。

 特に、体が固い人やいつも凝っている人は、よく全身の筋肉をほぐしておくことです。すると、声と呼吸、体との関係がつかみやすくなります。呼吸や発声のトレーニングで少しずつ、深い息で深い声を確実に捉えられるように、結びつきを強化、調整していくのです。

○声の姿勢のイメージトレーニング

 次のようなことをイメージすると、姿勢はおのずと正されるでしょう。

・映画の俳優を気どってみます。オペラ歌手やヴォーカリストでもかまいません。姿勢がシャンとなるでしょう。

・一流ホテルの高級レストランで食事をするつもりになって、イスに座ってみましょう。もちろん、タキシード、礼服を着ているつもりで。

・モデルの姿勢を意識してみましょう。(実際に、本を頭の上にのせてウォーキングしてみましょう)

 こういったイメージから、姿勢が自然によくなるのが望ましいのです。