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○母音の発声トレーニング No.299

 胸の深いところで「I、E、A、O、U」と言ってみます。このときも、ひびきや明瞭な発音よりも、確実にしっかりとした声として出すことを心がけてください。

 

○母音の発音[改訂版]

 

(母音の発音  母音、ア(a)イ(i)ウ(u)エ(e)オ(o)は、舌の位置で、発音が変わります。

 舌先は原則として、下の前面の歯茎につけておきます。 母音は、舌の位置で、発音が変わります。

 

[ア]自然な口の構えで、顎を開けます。大きく開けすぎるのも、よくありません。上下の唇の間に、指二本が縦になんとか入るぐらいで、アの最大の口の開きです。舌はあごと一緒に下げます。唇は丸めません。共鳴は、口を開けすぎると浅くなります。

 

[エ]アからあごを閉じてイより少し開くくらいです。舌の位置をアのときより前にもち上げます。唇は、両端をやや左右に引く感じです。頭や首の後ろ、肩の間にも響く奥行きがあります。アから後ろを回って、てっぺんのイに行く途中の音です。

 

[イ]エからあごを閉じて微笑したくらい、ほとんど開かない状態にします。上下の歯が触れないくらいです。舌は、上の歯茎の上、硬口蓋へ向けて、摩擦音が起こる手前まで高く上げます。糸切り歯の歯茎に触れるくらいです。唇は、平たくわずかに開け、横に引きますが引きすぎないこと。両方の歯が少し見えます。

 

[ウ]あごの開きは、母音の中で最も小さくなります。舌先を奥のほうへ引っ込め、舌のつけ根に近い部分を少々緊張させてもり上げる感じです。唇はイより両端を左右から中央へ引き寄せ、唇と頬は少し緊張します。ただし、日本語の「ウ」は、丸めるのではなく、外見上は平らな感じで、唇は丸くなりません。

 

[オ]ウの場合より、あごを開き、上下の唇の間に、人指し指一本がたてに入るぐらいの大きさにします。舌はウのときよりやや奥へ引き込み、アの場合より奥舌がうしろへ持ち上げられます。唇は五つの母音の中で、一番丸くします。唇の端は、やや緊張します。共鳴は、顔から胸にかけて響きやすく、まとめやすい音です。

 

 エとアの区別がよくないときは、アの口の開きを大きくし、舌先をあげすぎないこと。

 アとオの区別がよくないときは、口の開きを大きくして、舌の奥をあげすぎないこと。

 日本語のイとウは、ア、エより、発音するときに口の中が狭くなるため、浅く平べったくなりがちです。

 こういうときは、苦手な音を練習するよりも、うまく出せる音に苦手な音をとり込んでいくようにしてください。

 そのために、次の母音をうまくつなげるトレーニングをやってみてください。

 「お寿司」を「おすぅすぅ」と言うズーズー弁は、イが前舌でなく中舌になっているのです。

 

 イとエの区別がはっきりしないときは、エはアとイの中間音です。それがはっきり区別されていないのでしょう。次の言葉を言い分けてください。

(1)恋する声はつらい

(2)江戸の井戸は深い

 「つらい」が「ツレエ」となるのも、アがエになっているのです。イとエは、なまりやすいので要注意です。

☆医師がのどをみるときに、「アーン」と開けると、「ア」舌が下がり、みやすいのです。

 「ヤッホー」という音は、「ヤア」の「ア」で、遠くにも聞こえやすいのです。

 

□母音のひびきを確かめるトレーニング

 「アー」と声に出し、のどが振動するのを確かめてください。(「イ」「エ」「ア」「オ」「ウ」もやりましょう)

 

□母音をうまくつなげるトレーニング

1.イ→エ→ア→オ→ウ の順で声を出します。

 アの母音を出して、口の中のかたちを変えず、順にイ→エ→ア→オ→ウをつなげます。音の高さは、自分の出しやすい音でよいでしょう。 顎を手でさわって、どの母音でも顎が動かないようにします。母音から母音への移り目をゆっくりとほんの少し口形を変えていくようにします。

2.イーィエーェアーァオーォウー

3.ウーゥオーォアーァエーェイー

 

□母音の発音トレーニング

 話すときに、いつもリラックスできるために、口慣らしのための発声、発音のトレーニングを紹介します。それぞれに、同じ音が3つ以上、入っています。これをくり返して、自信をつけてください。

 これを参考に、自分の課題をつくってみるとよいでしょう。最初はやりやすいものをしっかりとマスターして、徐々に苦手な音をなくしましょう。

 

□母音のトレーニング ♯〈イエアオウのトレーニング〉

(イ)いつもいきいきしてますね/今以上のイマジネーションを/イライラしないでね

(エ)駅で笑顔で会釈/偉い人が選んだ絵/エネルギュッシュな営業に栄転

(ア)明るい朝の挨拶/明日は雨があがりそうですね/あした、あさって、しあさって

(オ)おいしいお菓子をおすそ分け/おいでをお待ちしております/お金を落として落ち込む

(ウ)嬉しい売れ行きは嘘/ウカウカしていると運が逃げる/歌を歌ってウサ晴らし

 

☆母音の無声化・母音の脱落

 本来、有声音である母音が無声化するときがあります。このとき母音は発されないのですが、口の構えとしては残ります(このルールについては省きます)。

3)着物(き)を打ち切り(ち)、科学者(く)の薬(く)、座敷(し)に深く(ふ)入る

 母音は脱落することもあります。

4)自宅(く)の逆コース(く)に、検察庁(う)がある 

 

☆長母音と連母音

 「おかあさん」「お姉さん」などは、実際にはオカーサン、オネーサンと発音されます。このように母音が連続する場合、長く引っ張るのを、長母音といいます。また「青い」のように、母音が続くのを連母音といいます。(これは外国語の二重母音とは違います)

 

○二重母音のトレーニング

 

 二つの異なる短母音の連続したものを二重母音といいます。

 日本語では、高低差(高低アクセント)はあっても、同じ強さで二音節として考えるので、母音二つとなります。

 それに対し英語は、最初の母音を強く長く大きく、二番目(第二母音、副音)は弱く、小さく発します。glide(わたり音)と言われるように、主従の関係となります。これで1音節です。しかも、副音には[-i][-u]が多く、[E]のときもあります。

 

 たとえば、eiを日本人は「エー」としてしまいやすいのですが、デート、クラスメートでなく、デイト、クラスメイトとなります。

 最初は強く、次に弱くというのは、日本語でもよくみられます。

 日本語 よい→いー、おまえ→おめー英 語 I(アイ→ア)、my(マイ→マ)、howハウ→ハー)、where(ウェア→ウェ)

 

○音楽的日本語にする母音のトレーニング

 

歌やせりふに使いやすい「イ」や「ウ」は、日本語の一般の発声より、深いところにあります。

I (イ) cheese チイーズの「イ」 E (エ) ever エヴァの「エ」 A (ア) garden ガアデンの「ア」 

O (オ) for フォアの「オ」 U (ウ) fool フウルの「ウ」 ・(ユ) ウの形でイ(英語にはない)

ER (アー) her ハアーの「ア」 (ア) hat ハアットの「ア」

 

東北弁、ロシア語に、中舌、母音(イとウの間)

口の開きが狭いと、舌は口蓋へ近づきます。

「気づまりで気づける」 No.299

 人に会うこと、場に出ればエネルギーは入ってきます。疲れることも後味の悪いこともあります。敏感な人、気の弱い人、ナーバスな人なら、なおさらです。しかし、その心地悪さを感じることでよいのです。そうしている間は、あなたは成長します。

 心地よいのは、あなたのこれまでの結果、経験してきた過去を懐かしんでいるか、あるいは、自分よりも未熟な人の場で優越感などだからです。

 気づまりくらいであってこそ、そこで気づいたり学んだりできるのです。そういうところでは、生涯に一度でも楽しければ、それでよいのです。そうでないときの方が、自らの成長のためには大切であり、必要なのです。

 一言もわからない、一言も発言できないという四面楚歌の中では、敏感に気づける体質になっていくでしょう。外国への一人旅もよし、全く知らない分野の専門家の集まりなどに出てみてはいかがですか。

「ヴォイトレと科学」 No.297

声の科学などは、物理、生理学者のためのところにあり、教育学や医学には、それなりに関係しても、ヴォイトレそのものにはほとんど影響しません。科学的なことの信仰者が多くなったのは、スポーツやエクササイズ、健康食品などでの科学的実証ブームのせいもあるのでしょう。

今の頭でっかちの人を信用させるには、便利なツールとして使われているのです。その先は、科学や理論から脱却して、スピリチュアルに走り出すというワンパターンでしょう。頭と精神に関心をもつのはよいのですが、肝心の身体が忘れられてはなりません。声は、身体が生じ、発し、動かすのです。声の研究で欠けているのは、日本人という観点とトレーニングの客観的効果の実証です。

私は、睡眠の研究をしたことがあります。理論や実証が、動物実験強制収容所のデータが主であることから、自らを実験してみるしかなかったのを思い出しました。

論文も学会も、一介のビジネスマンや一般の人が考えてもおかしなことを次々と回している、それを真面目に論じている(か、そういう顔だけしている)。医者も声楽家もどの分野も、古い体質になりつつあります。かつ、困ったことに、頑固なりにも古い頃のよさ、真実の希求をもっていた方が少なくなり、ただの権威主義に陥っています。

日本では、ゴマすり社員は少なくなったというのに、医局や大学や専門分野などでは、逆にイエスマンしか残っていかないのです。世間知らずで上のいう通り、同じことをそのままやるだけというように、ロボット化しているのです。こんなことばかりを言うのは野暮なので、やめますが。

どう生きてきたかは、その人の姿勢、顔、表情、声から判断できます。そこの人々をよくみてください。この研究所にいらっしゃるような人は稀有でしょう。(ここも何年か前、やや危なかったような気もしますが)人間らしい魅力で仕事していくところで、それはないでしょう、ということです。

○泣き声から母語学習まで No.296

 生まれてオギャーと泣く声が産声です。これは、初めて肺で息をして出した、感動すべき一声です。おかあさんの羊水から外に出され、水を吐き出し、空気を吸い、肺をふくらませて、水中生物から哺乳類になったのです。

 しばらくすると、赤ちゃんは喃語(なんご)といって、ことばにならない声で、まわりの人に自分の意志を伝えようとするようになります。「お腹へった」「うんちした、気持ち悪い」「ねむい」などということを、ことばでなく声の感じで知らせるのです。

 ここらは、ムズがったり、いらついたり、わがままし放題、王様の時期です。

 それに対して、「よしよし」とか「だめ」とか、表情と声の感じで、両親は反応します。そのことばを母語として聞くことで、それを発することができるように、脳に配線ができていきます。

 そして、学校に入る頃までに、およそ主な母語を聞いて話すことができるようになります。その母語が、あなたの言語のベースとなります。あなたのネイティブなことばは、日本語となったわけです。この時期(臨界期)をすぎると、ネイティブにはなりません。

 

○日本語と外国語

 

 さて、そんな頃をすべて忘れた頃、最初の外国語である英語に接するわけです。そこで日本語にない発音がたくさんあることを知ります。発音記号なども学びます。

 それでは、日本語はそういうものはなかったのでしょうか。

 いいえ、幼稚園や小学校一年生のときに50音ということで「あいうえお」という母音や、「(あ)かさたなはまやらわ」という子音を学んではいるのです。ただ、日本語というのは、音声面ではとてもシンプルなので、だいたい幼稚園までに大体は話せるようになるのです。

 なぜなら、5つの母音に子音をつけて、その2つの組み合わせで、すぐに言えるからです。つまり、A、I、U、E、Oのまえに、Sがつくと、Sa、Si、Su、Se、So、それで通じたらすむので、それ以上に詳しくは学ばないのです。

 たとえば、Sa、Su、Se、SoとSiのSの発音が違うことを知っていますか?

 発している音は必ずしも50音表での100余りの音だけではないのですが、そのように覚えたら、100余りの音で認識して、発し分けたらよいだけです。あとは、日本語はとても文字が多いので、ひたすら読み書き、カタカナや漢字の習得に時間を使ってきたのです。

 音声面での発音が複雑な外国語では、外国人も発音や発声について、基礎教育で学ぶことは当然です。彼らのは、子音中心言語で、音の組み合わせがとんでもないほど、ヴァリエーションがあるのです。つまり、日本語は音声面でシンプルなので、あなたもほとんど日常レベルで音声についてそれほど学んではこなかったわけです。日本語には、外国語によくある複雑な発音がありません。これが、日本人が外国語の習得が難しい原因の一つなのです。

 

○声の老化

 

 老化は、悪い方に変わることです。ただ、年齢で老化するというなら、体という楽器では、成人したら、あとは肺活量も筋肉も衰えていきます。しかし、クラシック歌手をみてもわかるように、鍛えたり、使い方を高度にすることで、声はさらによくなっていきます。実年齢よりも、精神年齢と肉体年齢で考えるべきことです。

 

○人間の発声器官は、まだ未完成

 

 発声の器官は、もともと声を出すために備わったのではありません。人間の進歩とともに、肺ができ、外部の水を入れない弁ができ(声帯)、それを転用して使っているわけです。

 と考えると、食べたり、飲んだりするときの音なども、言語と無関係なわけではありません。体内の空気が口から出れば、声やげっぷ(せき、くしゃみ)、お尻からでれば屁という具合です。発音にも、飲み込む音などがありますね。のどの手術で失い、食道発声をしている人もいます。

 いろんなものまねをしてみると、体のあらゆる機能を組み合わせて、言語にして使ってきたともいえるのです。だから、まだまだ可能性があります。

 人の成長でみると、発声の完成は、第二次成長期以降にずれ込んで、人間の器官の中でもっとも遅い部類に入ります。これを系統発生と個体発生の関係にあてはめると、人間のもつ発声器官は、まだまだ進化中と考えてもよさそうです。

 

○発声のメカニズム

 

 人間の生理、つまり体と動きが、どのように音声を形成しているかの理解をしましょう。

 つまり、発声をするには、

 1.素質としての楽器(のど)

 2.育ちとしての喉の筋肉 内喉頭筋中心に(輪状甲状筋など)や呼吸筋(横隔膜など)

 3.使い方としての共鳴

 この3つの複雑な結びつきがあります。

 

 発声の原理は、

 1.エネルギーとしての呼吸(呼気)

 2.声帯での原音づくり

 3.声道での共鳴とコントロール

 先に述べた声の状態は、1~3全てに関係しますが、

本来のトレーニングの目的は、筋肉を中心に鍛えて、感

覚(神経)や体自体を変えていくことです。

「知的につれづれ」 No.296

 知とは観念ですから、知ると、それで判断します。断じたところで、他の事と矛盾、衝突します。

今は、同じものを日本語と外国語で読んで、お互いに違うと言い合っているようなのが、この業界です。状況としての現実に、支配されるのは、変化を起こす力を養うためと考えているのですが。

目の前にあるものが何にでも使えるのに、みえるものに支配されて、そこでしか利用できない。それでは、状況に対応しているだけです。囚われている、逃げているのです。そこを直視することからスタートすることです。

誰しもが出会った時代、地域、環境で、考え方をつくり、同時に限定させられてきたのです。

 

気分、心情は影にすぎません。雨は一滴一滴であって、降っているのではないのです。

このように、状況と動きを同時に観るのは難しいことです。本質の把握から世の中に寄与していくことはさらに困難です。本質を求めても断じた時から革新から遠ざかるともいえるのです。

病気を望み、求めたら病気になります。必要なことは、とろうとしなければすでにもっているのです。でも、プロセスよりも結果よりも大切なのは自分、となってその自分に騙されて埋没しているのだなあ、と思うのです。

 苦痛や孤独など経験を通してできてきた自分の世界とは、関わらずをえないのですから、あえて離れるようにすることが大切です。

「Voice Detox」 No.294

1.リーダーの力

医療も教育も、このところ、日本の改革は失敗続きのように思います。今の日本、社会のリーダーの立場たる人が、いかに未熟なのかということです。これは、私が、そこに近い年齢になってわかってきたことかと思ってもみましたが、若い人も、今の国の政策のお粗末さ、マスメディアの体たらくはもうわかっているでしょう。

なぜ、責任者が出てこないままに、おかしな案がすぐに通るのでしょうか。毎回これだけ失敗する方が難しいのではと思えるほどに、政官財経、すべて未熟、たるんできているように思えてならないのです。

 

2.周りの眼や評価を意識しすぎることからの脱却

これも程度を超えると、当人の力で、未熟ゆえに暴走したり自己満足になるリスクがありますが、そこで失敗し、責任をとり、辞任して、次によりよいことで再起すればよいのです。それが最初から、同調圧力に負けて、事なかれ主義になっていませんか。日本では、失敗からの再起が許されないゆえ、組織で隠ぺいする体質がはびこっています。そうでない人を誰もかばわず、スケープゴートになっています。

昔は、独裁的なようであっても、縦の社会があり、顧問や相談役が助言し、育てもしていたのです。今は上にゴマをすった人がいきなりトップになり、独断で進めるみたいなものです。それが天を意識したものならよいのですが、側近や同じイエスマンの中だけで動いている、同類のなか、お友だちのなかでは、みえなくなってしまうのです。

 

3.頭でなく身体、情動の回復

今の日本人の大半は、喜怒哀楽という感情を深く感じ入り、出して発散することのないまま抑圧しています。怒りの抑え方、コントロールのようなノウハウが売れているほどです。怒りを出して社会に対峙していくのでなく、怒りそのものを生じさせないようにしたら、おかしくなるに決まっています。精神疾患と同じく、薬に頼り無理に抑圧して感情もなくなっていくのです。それでは、周りに動かされることになります。天に対せば内なる感動で満たされるのに、そういうことを言うと、その人は宗教的で危ないとなるのです。

頭でだけ考えてはまり込んだり、心身のコントロール術ではまり込んで、同じような人たちのグルになっている人をみていると、本人の真実と思うものが、ただ憑りつかれているだけにすぎないケースも少なくありません。  

まだ、外側に逃がすことだけを考えて、レジャーや旅行、カラオケで発散する方が健全かもしれません。でも、それも自分探しの名目にするのは、あまりよくありませんね。

 

 声を出して、自分の本当の感情を吐き出しましょう。ヴォイスデトックスしましょう。

レクチャー&レッスンメモ No.293

課題を膨らます
柔らかくしなやか
全体から1フレーズ
ベストの組み合わせ
4フレーズで
本質をつかんで
基準をおく
スキャット
声から歌
器の内外
可能性の限界
限界からの応用
応用のための基礎
ガゴガ
ガゲガ
喉をあける
無理に入れない
下げる
こもらない
掘らない
回さない
含まない
あてない
押し付けない
ん ma ん
gagegi
小<大
高<低
浅<深
細<太
シンプルに
目標とのずれ
邦楽 声楽の一致
体から声を取り出す
真っ直ぐに伸ばす
かすれるリスク
力の入るリスク
方向ベクトル
息→声(×嗄声
発声→共鳴
深い芯
スピードと解放
浮くと離す
フレーズの呼吸
フレーズの共鳴
体力 気力
ステージパフォーマンス
耐久性
気分 体調
コミュニケーション
謡の声
オーアウエオ
口を動かさない
☆固定でのチェック
器用をとる
力みとる
デッサン
勢いと定着

○生まれたときからヴォイトレ! No.45

 今、あなたが○○歳だとします。すると、「ヴォイトレはしたことがない」「ヴォイトレは初めて読む」「これから始めたい」というあなたでも、すでにほぼ○○年のヴォイトレ歴を持っているのです。ここでのヴォイトレの定義は、人に教えられるのではなくとも、自分の耳で判断し、自分の発声器官を調整して発声してきたキャリアです。どの人間も成長とともに経ている音声言語の獲得のプロセスこそが、基本としてのヴォイトレに他ならないのです。

 そうでなければ、18歳でヴォイトレを受けずに、歌手や役者になれる人はいないでしょう。あなたは、学校に入る前に、日本語を(たぶん、今もっている英語力よりも高度に)ペラペラとしゃべれたでしょう。発声も同じことです。

 母親から生まれるときに羊水を吐き出し、肺に空気を入れてふくらまし、オギャーと産声をあげます。魚からほ乳類になった瞬間です。個体発生と系統発生でみると、声変わりが10代と、とても遅いことからも、先述した現代人にとって、のど自体が未完成というのは、説得力を持ちます。むしろ、現代人の声を聞いていると、完成されないまま、退化しつつあるのかと私は恐れていますが・・。

 

○最初の発声

 

赤ん坊は、最初は、おっぱいを吸うために、唇の力が強い(口唇期)ので、mamamanmaなど、両唇音で鼻音のmが出ます。

 マンマ、ママは、世界中でおよそ“食べ物”や“おかあさん”のことです。Paというのは、少し呼気が強くいるので、そのあとです。Mama より Papa と先にいう子はいません。頭がたたず、のど(喉頭)があがっているので、「イ」もいえません。喉頭の位置がおち、声道の直角によって構成されるフォルマント比で、5つの母音が出せるようになってきます。

 その代わり、赤ちゃんのときは、犬猫馬と同じで、鼻から気道、口から肺へ、つまり、息つぎなしで、おっぱいを吸えます。のどが落ち、声道や舌の稼働範囲が広くなって、母音のフォルマントが形成されます。それとともに、口、鼻と気道、食道が交差する空間ができるので、喉口蓋がうまく動かないと、誤嚥が起き、むせます。これは人間だけです。山城新吾さんは、誤嚥性の肺炎で亡くなられましたね。

 

○毎日のレッスン 

 

 英語は、発音が難しいと、あなたもきっと似たような経験を、英語を習ったときにしませんでしたか。

 「アとエの間のae(アエ)で出すんだ」などと言われて、耳をすまし、口で形をつくって、その音を真似て発したでしょう。いわゆる発音練習です。耳で聴いて、声を調整するということで、ヴォイストレーニングを体験したわけです。もちろん、英語の勉強で初めて経験したわけではありません。

 あなたは、日本語を読むことができます。しかし、誰も生まれてすぐに日本語の読み書きや会話はできません。日本語も生まれたあとに、両親をはじめ、まわりの人に何度となく教えてもらってきたのです。

 母語は、生後3、4年で、かなりのことを話せるようになります。英語のレッスンも、ずっと早くレッスンしていたら使いこなせるようになっていたのです。

 もう記憶にないでしょうが、毎日がことばの勉強、日本語のヴォイストレーニングだったのです。くり返し、日本語の音声体系を耳で聞いて、ことばで発して覚えていたのです。

 

○母音と子音

 

 単音のうち、ア、イ、ウ、エ、オが母音です。

 母音は、声帯から、声が、共鳴器官を通って鼻や口から外へ出るまでに、舌や唇などの器官で操作されずに、発されたものです。

 母音以外の単音を子音とよびます。子音は、鼻や口から音が出るまでに、歯や唇、口蓋などで、操作をされて発せられたものです。

 

○半母音

 

 半母音とは、キャ[kja]など、ヤ行音の[j]、ワ行音の[w]で、子音と母音の間にはさまって拗音をつくることから、母音と子音の中間的な性格の音といえます。(半子音ともいう)

 それぞれの音を発音し、調音点を確かめましょう。調音の表をみながらやりましょう。

 

○音声学を学ぼう

 

 音声学は、音の使い方での調音(構音)は、声をことばにする知識です。うまく発音にならないときに、その音のつくり方を知ると、効率的に矯正できるからです。その人のどこがよくなくて、それはどうすればよくなるのかがわかるからです。

「理想の場」 No.293

 お互いによくわからないままに、そのつながりを超えた何かに触れている、先生と生徒でもない、人と人でさえない、そんな場が好きです。幸いに、私自身はそういう経験をたくさん味わえました。以前の教室でも、全体で行われていたときもあれば、そのうち1人、2人がそうなっていたときもありました。

そのうち成り立ちにくくなったのは、早く効果を狙う人が多くなったことや、余計な情報が邪魔しだしたせいでしょうか。

こういう場が唯一なら、皆、そこで行うしかない、やるしかない、そのうち気づいていきます。

しかし、初回から「ここはどうなのか」「先生はどうなのか」「他より早く学べるのか」「だめなら別のところへ行けばよい」そういう頭をもつ人とその状況下では、本当に学べる場は、なかなか成立しにくいのです。

ある意味、学びさえが自由競争になってきたわけです。サービス、おもてなし、価格などで価値づけられるようになったのです。

そういう点では、権利ではあっても、それを強制的にセットされる義務教育などは、もっと感化できる機会なのにもったいないことです。先生が知識を教え、生徒がそれを覚えることで終わっているかのようです。いや、先生も今や雑務で忙しく、教えることに専念できない状況だそうです。でも、そういう先生とは、教室で教わるより、掃除と雑用を共にしつつ、人間関係、家庭関係のトラブルを相談するというのも捨てたものではないと思います。

出世競争を避けて、長く、よりうまく教えたいという先生は、新しい時代に対応していっているのでしょうか。 

私自身は、求められることをしつつも、かつてのよいところを残していくのに苦心しています。日本の0.01パーセントの人がわかってくれたらよい、いえ、わからないままに成り立てば、なおよいと思うのです。ここだけはネットでは無理、生身に時空間を共有しなくては成り立ちようもないところなのです。

「次代のゆき手」 No.292

文明は、硬く四角く乾き、文化は丸く柔らかく潤っているような気がします。自然、生物は前者、 技術、生産物は後者なのでしょう。 つくったものは、角ばって硬く、乾燥しています。生きものは、丸く柔らかく水っぽいものです。男女であれば、女性が後者において勝るといえます。 日本は今や、女性が強く、男性性が中性化してきていて、それは、何を表しているのかと考えるのですね。 日本の歴史は、戦に明け暮れた時代と文化の育った時代が交互に来たわけです。木村尚三郎氏は、平成、大正、江戸は、女時で、昭和、明治、安土桃山、奈良は男時、それは交互にくると述べていました。

平成の次に男時が来るとなると物騒です。国際紛争、貧富格差、移民、大災害、力による変革期となるのでしょうか。